こんにちは。
本日は「籐の張り替え」について河内長野店よりご紹介します。
作業工程はおおまかに分けると
①下準備 ②籐張り込み ③塗装 の3つ。
先に②張り込みについてご説明。
籐張りは、
・座面や背もたれのフレーム周りの溝に籐の張材を押し込み、上から丸芯(籐芯材)で押さえて張り込む
という方法が基本になります。 網戸の張替えと似ていますね。
籐の張材はまずおおまかな大きさに切り分け、水に浸し柔らかくします。
張材、芯材、どちらも乾燥したままですと千切れたり、割れてしまいます。
十分に水を吸ったら張り込み。 フレームの溝に接着材を入れて、張材を押し込み、タッカー等で固定します。
その上から丸芯を叩き込み、はみ出した部分を切り取ります。
乾燥させて張り込みは終了です。
では、①下準備について。
まず、お預かりした椅子の籐を剥がします。
丸芯は溝に沿ってカッターなどで切れ込みを入れ、少しづつ剥がしていきます。
叩きこみ、接着材やタッカーで固定されている芯を取り除くのは大変。
溝に残ったタッカーの針や、接着剤も綺麗に取り除きます。
ここで溝を綺麗にしてしておかないと、今度は張り込む時にキレイに芯が入ってくれません。
その後、塗装に備えてフレームにマスキングテープを貼り、下準備は終了です。
②張り込みに比べると、①下準備の方が何倍も時間がかかります。
③塗装
さぁ塗装! といきたい所ですが、その前に一工程。
張り終わり乾燥させた籐はケバ立ちやひっかかりが残っています。
そのままでは衣類などに引っかかり、ほつれてしまったり、痛みが早くなってしまいます。
まずはバーナーを使い、ケバ立ちやひっかかりをおおまかに焼き落とします。
その後、紙やすりを優しくかけて、なるべくひっかかりのないように仕上げます。
さぁ塗装です。
張材、芯材、もともとは色がついていません。
修理前の色に合わせて塗装することが多いですが、
「もっと濃い色で」「椅子のフレームの色に合わせて」といったご指定を頂ければ色の変更も可能です。
色を作り、吹きつけ塗装を行って完成!
前述の「再塗装の剥がし」にもありますが、修理の場合
「キレイに仕上げる」ための『準備』が大切。
お預かりする家具はそれぞれに違いがありますから、同じようにはいきません。
例えば籐張りの剥がしでも、剥がしやすいモノもあれば、なかなかキレイに剥がれてくれない場合もあります。
なかには苦戦するものもありますが、仕上がりは同じようにキレイに。
1つ1つに違いがあるのが、修理ならではの面白さ、とも言えるのではないでしょうか。
(Y)